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フェイスリフト手術の概要〜今までのフェイスリフトとその歴史〜

初期のフェイスリフト

1970年代、フェイスリフト手術の原型となる手術法が考案される

1970年代、耳の脇から上方は側頭部に向かって、下方は耳の裏側から頸部に向かって、傷を隠すように切開を入れる、現在のフェイスリフト手術の原型になる手術法が生まれました。
当初は、皮膚を切除するだけの簡易なものだったようですが、効果が持続しないことや傷痕がそれでも目立ったりしたことで改良が加えられ続けました。

簡単にできるという理由から、今でもこの古典的なフェイスリフト手術を行っている医師がいる事実は、とても残念なことです。

わずかな皮膚剥離しか行わない初期のフェイスリフト手術わずかな皮膚剥離しか行わない初期のフェイスリフト手術
わずかな皮膚を切除するだけの簡易なものわずかな皮膚を切除するだけの簡易なもの

皮下剥離が狭いとどうなる

剥離範囲が狭いと手術は簡単になりますが、手術後数ヶ月で皮膚は元に戻ろうとして耳たぶが前方に移動してしまいます。これに伴い、顔のしわやたるみも戻ってしまいます。
これは、顔の表情筋がその上にある皮膚としっかり癒着しているからなのです。体のほかの筋肉は、皮膚と強い癒着がありません。顔の表情筋と皮膚が癒着しているために、私たちは顔にいろいろな表情を表せるわけですね。

2時間包帯無しのフェイスリフト

先日こんな患者さまが外来にいらしゃいました。 品の良いすこし御年配の女性です。
「つい、半年前にある評判の美容外科クリニックでフェイスリフトを受けました。そこの先生はとってもいい方で、安心していたのです。手術後しばらくは腫れていて張りもあったようですが、2ヶ月もすると、まったく元に戻ってしまったのです。」

そこで、私はこう質問してみました。
「手術は全身麻酔で?それとも局所麻酔ですか?そして手術時間はどのくらいでしたか?」
御婦人はこう答えました。
「手術は局所麻酔で、そう2時間くらいでしたかしら。絆創膏だけで包帯はしないでいいって言われました。1週間で抜糸したら、もう終りって。でもフェイスリフトの美容外科の手術の後は内出血の紫色や青たんも少なくて、すっきりしていたのですよ。」

どうやら、この御婦人「簡易フェイスリフト」を高価な価格でお受けになったようです。
フェイスリフトの極意は、皮膚と皮下脂肪を耳前部から法令線のあたりまで十分剥離し、法令線やマリオネットラインが改善するようにSMASを処理することなのです。
靭帯(じんたい)は「リテイニングリガメント」と呼ばれ、片方で数本存在します。顔面神経に注意を払い、止血に注意をはらい、丁寧に縫い込むと、少なくとも手術には5〜6時間はかかります。
しかも、生体接着剤を使用したとしても圧迫止血のため、術後3〜5日間は包帯で圧迫する必要があります。これはとっても大切な事なのです。

しかし、近年なるべく簡易にとか、もっとカジュアルにという理由で「ミニリフト」という手法も試みられているようです。
当然価格もかなり安めです。ですが、効果はというと、殆ど変化は期待できないと私は考えています。ミニリフトでは、皮膚の剥離もわずかで耳前部から2〜3cm幅しか隔離しないようです。ですから、殆ど術後の圧迫もいらないというわけです。
いくら安くても「効果が無いフェイスリフト」をする気になるでしょうか? まして、高価となれば・・。
フェイスリフトを受けるなら主治医をしっかり選ぶ必要がありそうです。

一世を風靡したハムラ法

1990年代初頭、究極と思われる手術法が登場

近年フェイスリフト手術に特化した顔面の解剖学も発展していきました。
1990年初頭、一つの結論的手術法が一世を風靡しました。これが「ハムラ法」 です。
この手術は非常に手が込んでいました。皮下の剥離に続き、SMASと呼ばれる筋肉の群の下を剥離し、これを支える深部リガメントを切断し、SMASの動きを自由にし、皮膚と同時に外側上方向に引き上げるというものです。

ここまでは、Dr.ハムラ以前にも行われてきたのですが、彼は、さらに、切断した深部リガメントの断端に糸をかけ、その一本一本に張力を働かせ、効果を持続させようとしたのです。この時は、それが究極だと思われたのですが、問題を提起する学者も現れました。

ハムラ法によるフェイスリフト手術の概念図 ハムラ法によるフェイスリフト手術の概念図
SMAS下で深部リガメントを切断し、切断したリガメントの断端に糸をかけて引っ張るという方法

2000年代中期に問題定義する学者が現れる

私が理解する所では、2000年代中期、Dr.メンデルソンによる顔面の解剖学論によると、この深部リガメントには顔面神経の枝が含まれると考えられています。そして、それを切断する事は、後日多少の顔面神経麻痺の起こる可能性が示唆されると考えられます。

顔の皮下組織の構造
SMASの下には顔面神経の枝が含まれている

SMASを皮下で直接、切除縫合する方法

1990年代中期にハムラ法とは異なる手術法が考案される

1990年代中期、Dr.ハムラとは異なったフェイスリフト手術を展開していた米国の医師がいました。Dr.ダニエル・ベーカーです。

彼はSMAS下の剥離は行わず、皮下の広大な剥離でSMASを皮下で直接、切除縫合するという大胆な発想を掲げていました。

Dr.ダニエル・ベーカーによる手術法の概念図
① SMAS下には顔面神経の枝があるためSMASの下は剥離しない

Dr.ダニエル・ベーカーによる手術法の概念図
② 皮下を広大に剥離
Dr.ダニエル・ベーカーによる手術法の概念図
③ SMASを直接切除縫合する

1995年、デービイット・メディカルセンターで二組の一卵性双生児の姉妹がフェイスリフト手術を受けました。
ちょっと変わったところは、その手術が4人の医師により、それぞれの手術技術を競い合うようにして行われたということです。
結果は、10年間に渡り毎年報告されました。
2005年、手術から丁度10年目の結果は、圧倒的な差でDr.ダニエル・ベーカーに軍配が上がったと多くの美容外科専門医が感じたと思います。

酒井形成外科でのフェイスリフト手術の術中
酒井形成外科でのフェイスリフト手術の術中

こうして、酒井形成外科のフェイスリフト手術法も2000年代後半には大きく様変わりしていったのです。


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